桜と天使が降ってきた

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天使が降ってきたと思った




寒い日が続いていたが、久々に暖かい日のことだった。

何となく外に出れば、せっかくだからとバイクに足が向いた。

目的もなくバイクを走らせていると、桜の見事な屋敷が目の端に入った。
桜など毎年見ているが、その桜には無性に心奪われ、バイク通行禁止のその桜並木の道をわざわざ歩くことにした。

長く続く塀の、丁度真ん中辺りまでさしかかった頃。
ガタンと音がしたかと上を見れば、ソレは降ってきた。

「きゃ…っ！」

降ってきたのは、少女だった。
咄嗟に受け身を取り、少女を抱き留める。
だがあまりに急だったせいか、バランスが上手く取れず結局は転倒することになった。
少女が俺に乗っかる形になる。
けれど重さはほとんど感じなかった。
本当に人なのだろうかとその子を見れば、背からは翼が生えていた。
ケマリだってホオベニだって、翼を持つ種族はいるのに、一瞬ガラにもなく本当に天使かと思った。

「ごっ、ごめんなさい…！お怪我はありませんか…っ？」

その子は慌てて俺の上から退き、心配そうに顔を覗きこんでくる。
まだあどけなさの残る顔つきは、俺よりも２･３歳ほど下に見える。
素人目にもなんとなく良いものだとわかる着物を見ると、この屋敷の娘なのだろう。


「あ、ああ。まさか人が降ってくるとは思わなかった。何してたんだ？」

そう聞けば、少女は急に顔を赤らめて、恥ずかしそうに俯いた。

「それは…っ、あの…、…飛んで、みたくて…。外を、見てみたかったんです。」

「…飛べないのか？あんた。」

そう聞けば、少女はさらに俯いた。

「小さい頃から外に出してもらえなくて、飛ぶ練習も…できなくて。」

少女の顔に一瞬浮かんだ影が無性に気になった。

「…外の世界が見たいなら、俺が見せてやるよ。」

考えるより先に言葉がでた。
我ながらキザな台詞だと思った。
少女は一瞬驚き、その後戸惑いながらも、差し出した俺の手を取った。
少女の手を引き、来た道を今度は二人で戻る。

バイクを停めた所まで来て、ヘルメットを二つ取出し一つを少女に渡した。
仲間を乗せることもあり、予備ヘルメットは普段から持ち歩いていた。

かぶり方にてこずっていたようなので手助けをした。
装着できたのを確認し、少女を抱き上げて後部座席に横座りで乗せた。
その後自分もバイクに跨り、少女の腕を自分の腰に回す。

「危ないから絶対離すなよ。」

言ってバイクを発進させると、そのスピードに驚いたのか少女は背中にしっかりとしがみついてきた。
危ない乗り方をしているのもあって、自分ではかなりゆっくり走っているつもりだったのだが、バイクに初めて乗る彼女にとっては十分速いのだろう。

「目ぇちゃんと開けてるか？」

「ふえっ！？が、がんばります…！」

案の定目を閉じていたようだ。
せっかく連れ出したのだから、それではもったいない。

人通りの少ない道を選んで、海沿いを走ったり、見通しのいい峠に登ったりした。
その度に少女は歓喜と詠嘆の声を上げた。

「私…っ、こんな素敵な景色初めて見ました…っ！外の世界って、こんなにも輝いているんですね…っ！」



日が少し傾いた頃、元の桜の屋敷の近くまで戻ってきた。

「ここでいいのか？」

家の前まで送ってやるつもりだったが、少女は少し離れたところでバイクを止めてくれと頼んだ。

「はい。屋敷の者が私を捜してると思います。見つかったら貴方まで怒られてしまいますから。」

「じゃあ尚更俺も一緒に…！」

「いいえ。私、もし叶うなら…また貴方に逢いたいから。」

少女の頬が僅かに赤く染まり、とびきりの笑顔を見せる。

そのまま振り返って行ってしまう少女を、頭で考えるより早く呼び止めた。

「名前は…っ！俺は明貴保、君の名前は…っ！？」

少女は驚いた表情で振り返った。

「那日、那日って言います…！また、逢いたいです、明貴保さん！」

そう言って手を振って、少女は桜の中に消えていった。


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はい、明貴保くん×那日の初文章です。
出逢いはこんな感じじゃないかと勝手に妄想。
てゆか明貴保くんキャラ変わっちまってら／(^O^)＼
まあね、こっからヘタレが目覚めていくんですよ！
イメージ曲は「ホール･ニュー･ワールド」。



それから、なんかアニメーションが作りたくなってやらかした。



まあ動画形式にするまでもなかったのでgif動画ですが。
初、notトレスの動画です。
風がばさばさ吹いてるイメージ。
祈杁は髪がウェーブかかってるので描きやすい＼(^O^)／
こういうのってストレートの方が描きにくいもんですよね。
あーもっとすごいアニメーション作れるようになりたい…

コメント 1

ＡＫＩＮＡキター！！
まってましたうへへ＾ｑ＾！なのかちゃんかわいいよかわいいよ＾//＾
なんで私の上に落ちてきてくれなかったんだろう、絶対あきほより華麗にキャッチしたのに！
そしてあきほなんかやたら男前になってるｗｗ
素敵なあきなごちそうさまでしたー！
by 零晏 (2010-03-25 12:02)